社労士を受験する5つの層
↓押していただくと励みになります。
僕は社労士勉強にあたって、2年とも資格予備校を活用していた。
独学で合格している人もいるようだが、時間を金で買うという考え方で予備校の情報収集力と集約力に投資した。(独学でもテキストや問題集、模試の費用を考えると差額は実質プラス10万くらいだろうか)
1年目は大手の通学コース、2年目は予備校を変えてCDの通信で学習していた。
1年目の通学では大手予備校の週末クラスに通っていた。教室は大きく、初期の頃は200人は収容できそうな教室が満員であった。(そのクラスの講師がそのエリアで人気であったというのもあるが。)
周りを見渡すと本当に老若男女という言葉が相応しかった。男女の比率は若干男性が多いくらいであるが、下は20代前半の大学生らしい方々から上は定年退職を過ぎたであろう方まで見られた。(これぞ生涯学習という形で僕にしたら尊敬の対象であった)
僕はここで疑問に思うことがあった。
「この方々はどういった目的で社労士取得を志したのだろうか」と。
僕の社労士を目指した目的は前回書いたように独立である。
社労士は、登録の仕方が3通りある。
「勤務社労士」と「独立開業社労士」と「その他」である。
資格取得の目的は、色々タイプがあると思うが大きく下記の5つに分けらるのではないだろうか。
①現在、社労士の関連業務(人事、総務等)とは全く畑違いな仕事をしているが、未経験ながら社労士を取得し独立開業でやっていきたいと思っている人
②現在、社労士の関連業務(人事、総務、社労士事務所等)に就いており、社労士を取得し独立開業でやっていきたいと思っている人
③現在、社労士の関連業務(人事、総務等)に就いていないが、社労士を取得して人事総務に異動、もしくは人事総務や事務組合、年金事務所等に転職を目指す人
④現在、社労士の関連業務(人事、総務、社労士事務所等等)に就いており、社労士を取得して勤務社労士として社内での立場を確立する等、さらなるキャリアアップ・ステップアップを目指してる人
⑤資格コレクター・勉強が趣味
僕は受験中は受験仲間はいなかったので、毎週週末に教室に集まってくる老若男女達の思惑はわからなかった。
講義が進むにつれて満員だった教室は年が明ける頃にはスペースが出来始め、年金の講義が終了する頃には3/4くらいになっただろうか。
約1/4の方々は何故来なくなったのか。
私は現在いろいろな社労士や行政書士等の士業の方のブログを拝見しており、そこには開業後のことだけでなく受験中のことも書かれいる。上記にあてはめると①のケースの方々のブログを中心に見ている訳だが、劣悪な職場で働いていたケースをよく目にする。
現状の環境から抜け出すには試験に受かって独立しかないという、退路を断たれた状況が勉強のモチベーションになっていると思うし、やはり勉強開始から合格までの期間は短い。
僕は、社労士の受験を思い立った時の気持ちを、紙に書いて常に勉強カバンに入れていた。成績が振るわなかった時、やる気がイマイチの時はこれを見てモチベーションを維持していた。
講義に来なくなった1/4の方々の勉強のモチベーションは何だったのだろうか。
きっと社労士に受からなくても他に人生の選択肢はあったのだろう。
仕事で疲れている時、誘惑に負けそうな時、模試で結果が出ない時、これらの状態になっても打ち消すことのできる強靭なモチベーションが合格への最大の武器のような気がする。
社労士を目指したわけ
↓押していただくと励みになります。
ここで誰も興味はないのは承知で、著者の自己紹介だけ済ませておく。
僕は都市部で働くアラサーのサラリーマン。
高校までは地方で過ごし、大学で今住んでいる都市に出てきて、卒業後そのまま今の会社に就職。職種は市場開発(営業のようなもの)を行っている。
現在勤務する会社は大手メーカーのグループ会社、と聞こえは良いが内部は非常にいいかげんな体質で、コンプライアンス違反(労基法、会計等)や社員に対する理不尽なことが多く、待遇も良くない。完全に外面に騙されて入社してしまった。(まあ自業自得であるが)
この為、20代30台で愛想を尽かした社員が辞めていく例が後を絶たない。
僕も彼らと同じく、この会社で残り約35年を過ごすことが考えられなくなった一人であるが、僕は転職という道はとらなかった。
転職活動で内定までこぎつけたこともあったが、断ってしまった。そこの業務内容に興味を持てずに志望動機を書くのも一苦労だったのである。
また色々回る中で、サラリーマンである以上どこの会社でも理不尽なことや自分が納得できないことあるだろうし、転職は根本の解決ではないと思った。
じゃあ、もういっそのこと独立して自分のやりたいようにやろう!と思ったのである。
僕が?
どうやって?
独立できるノウハウも知識も得意分野も何もないよ?
じゃあまずはそこを身につけよう。
独立が可能な資格?
僕の脳みそ1年でギリギリ受かりそうなのは、行政書士?社労士?
より専門性が高そうなのは社労士か?
よし社労士だ!
これが平成26年9月頃である。
ここからは前述の勉強生活の始まりである。
僕が社労士試験に不合格だった年にやってしまった6つのこと
↓押していただくと励みになります。
僕は平成27年度の社労士試験に不合格になっている。
当時は午前中に択一があり、午後に選択式というスケジュールだったが、午前中に叩きのめされ、午後にトドメを刺された気分だった。歯が立たなかった。
結果的にこの年は過去最低の合格率だったわけだが、合格者が一定数いる以上、言い訳はできなかった。(この年は択一43点、選択は28点で労災と労一が基準割れだった)
初学のこの年は、某大手予備校に通っていたが、とにかく無我夢中で時間ばかり費やし、効率が非常に悪かった記憶しかない。
現在振り返ってみると「そりゃ落ちるわな」と思うことが多々。それらを記してみるので皆さんの反面教師にしてもらえれば当時の僕も浮かばれるだろう。
1.間違えることが癖になっていた論点を放置し続けた
正確に言うと放置はしていない。間違えたその瞬間はテキストに戻り何が悪かったか確認する。そしてもう二度と間違えないと心に誓う。しかしである、数日後もしくは数週間後に同じ問題を解くとまた間違えるのである。
これの原因は、問題を見てから回答を導くまでの思考回路が治っていなかったように思う。この部分の矯正が必要だったのだ。
2.表層しか見ていなかった
表層という表現が正しいかどうかわからないが、社労士試験(特に択一)は2層になっていると感じる。
表層はテキストに載っている数字の部分や太字の部分で、誰もが覚えて当たり前の部分、2層目はその表層の知識を基に若干掘り下げた部分。
例えば労働基準法。割増賃金や就業規則、有給休暇なんかはテキストでも太文字で、いわゆるメジャーな出題項目である。
一方、罰則の有無の問題。テキストを読んでいると隅っこの方に普通のフォントでさらっと書かれているが、最近の過去問ではよく出ている。しかも予備校の難易度判定では「基本問題」である。(ちなみに私が数えた限り、罰則の有無の論点は労基法だけで「労働条件の原則の違反」、「明記された労働契約の事実との相違」、等で合計7つあった)
このあたりまで答えられないと合格点の確保は厳しいように感じた僕は、2年目はこのあたりの論点を答練や模試で容赦なく抉ってくる予備校に変更した。
3.全て復習していた
予備校の答案練習や模擬試験を受けると点数はもちろん、全体の中での順位を知ることができる。
どこの予備校の講師も口を酸っぱくして言っていると思うが、はっきり言って順位は重要ではない。どの問題を間違えたかが重要なのである。正答率が高い(40%以上)にもかかわらず自分が間違えているのは要注意であり復習必須である。人とずれて学習してしまっている可能性があるから。
逆に正解率が10%以下であれば復習は必要ないのかもしれない。本試験で同様の問題が出てもそれは奇問難問で捨て問となるから。
4.隙間時間を過信していた
勉強の時間が多く取れない社会人にとって、隙間時間の活用は合否に影響することは、これについて書かれたたくさんの書籍が物語っている。
しかしである。隙間時間は所詮隙間時間ではなかろうか。
私は1年目の隙間時間はスマホのアプリや過去問サイトで問題演習をやっていた。間違った問題の解説等をその場では読み込むのだが結局頭に定着しなかったように思う。
問題演習とその解答解説を読み込む作業は、テキストが身近にあるいつもの勉強机でいつもの問題集が良いと感じた。
5.直前期に全科目のテキストを読んでしまった
テキスト読み自体は効率が良い学習方法だし、王道である。しかし時期を考える必要があった。
僕は1年目の時、試験の直前3日を全科目のテキスト読みに費やした。その結果択一の試合勘(問題を解く時の正誤の判断の感覚的なもの)が鈍ってしまった。直前期はこれまでに得た知識のキープが重要だと感じた。
6.普段から本番を意識しきれなかった
練習は本番のつもりで、本番は練習のつもりでということである。本番は緊張で頭が真っ白になるということもあるし、選択式の奇問難問で焦ることもある。このあたりの経験を模試でできなかったのが本番に響いた。
これも思いつけば追記していきたいがこのあたりが失敗だったと思う。
これを踏まえて2年目は、
1,→繰り返すし間違える問題は予備校の質問コーナーに電話をし会話することで脳にインパクトを与えて矯正する・間違いカードを作り繰り返す。(記憶を矯正するのはインパクトか極度のリピートが効果的である)
2.→予備校を変えた
3.→正答率が低い問題は復習しなかった
4.→隙間時間はCDの聴講に費やした
5.→直前期は択一の問題演習を中心に行った。(試験当日の朝も択一各科目20問程度解き、脳を試合モードにした)
6.→本番を想定し、本番の時間帯で模試を繰り返した。また選択式の奇問難問は出て当たり前というマインドを持ち、さらに各社の模試を取り寄せ奇問難問への耐性をつけた。
これを見て「そりゃ落ちるだろ」と思わるかもしれない。
しかし、当時はわからなかった。時間をかければ受かるだろうと思っていた。
社労士試験は時間をかければ良いというものではなく、学習テクニックが必要な少し風変わりな国家資格だと思う。
僕が社労士に合格した時に気をつけた8つのポイント
↓押していただくと励みになります。
〜〜のこと、と書かれたブログは読みやすいし、解りやすい。
最近、人のブログを読んでいるとこの手のタイトルの記事をよくクリックしていることに気づく。
タイトルから記事の中身が解りやすいこと、箇条書きでシンプルあること、文章の全貌(分量)が判りやすいからだろうか。
私は社労士受験で1度失敗している。(今年の試験でマークシートをミスしていれば2度〜になるが。。)
勉強期間は2年強、総学習時間は2,000時間前後だろうか。
1年目の不合格を踏まえて、2年目では様々な勉強法や小技を試した。
その中でも効果があった、これのおかげで合格点を確保できた、と実感できることがいくつかある。これらの相乗効果、積み重ねは相当なものになると思う。
もちろん個人の学習の進捗度や学習環境、資格学校の使用の有無等で状況は変わるが、参考になれば幸いである。
1.択一式は各肢の✖️の理由を文字で書く
過去問等の択一式を解く時は、頭の中で✖️(◯)とわかっていても、必ず紙に✖️の理由を書くようにしていた。
手で書くことで記憶の促進にもなるし数字の間違いを書くことは選択式対策にもなる。これで同じ間違いを繰り返すことが格段に減ったように思う。
2.過去問は必須だが万能ではない
昔は過去問だけで択一の合格点を取れる時代があったようだ。今は到底無理だと思う。私が合格点を確保したH28年度の試験は択一式合計350肢ある中の、約1/4程度が過去問からだったらしい。昔は半分以上が過去問、しかもほぼ同じ文章もあったというのだから驚きである。
的中率25%の予想問題集は無いので、過去問はマスターしなければならないという事実は変わりないが、過去に出ていない部分も幅広く抑えなければならない試験になってしまったのが、現在の社労士試験ではないだろうか。
3.テキストの読み込みは効率が良い
上でも触れたが、過去問以外から3/4近く出る。これらはだいたいテキストに書かれている内容である。選択式も奇問難問を除き、だいたいテキストに書かれている内容である。そう考えるとテキスト読みは外せない勉強法だと思う。
熟読ではなく、通読を重ねていくイメージだろうか。問われた際に頭の中で、テキストのどの辺りに書かれているか思い出せる様になれば、選択式も択一式もだいぶ楽になる。
4.通勤中、移動中は講義CDの倍速が効果的
独学者でテキストのみで勉強している方や予備校の生講義を受けている方は難しいかもしれないが、耳からの学習は隙間学習には大変効果的である。テキストを広げる必要もないし、嫌でも耳に入ってくるので強制力がある。
そして2倍速や1.5倍速にすることで短時間での復習が可能である。はじめは聞き取りにくいが繰り返していると慣れてくるので、楽しくなってくる。私は通勤中の電車内や徒歩中はほぼ聞いていた。
スマホアプリでも倍速プレイヤーがいくつかあり自分に合ったものを見つける良いと思う。(私はAudipoの有料版を使用していた。中断しても次回まで中断箇所を記憶している点が購入ポイントであった。)
5.選択式の運要素は限りなく減らせる
社労士試験を語る上で外すことはできない選択式対策。労一を中心に、毎年基準点を取れずに涙をのむ受験生を生んでいる。
実際、運要素も否めないが、限りなく減らしたいと思っていくつか策を練った。
①初めは選択肢は見ない。先に見てしまうと影響されて引っ張られてしまう。まずは自力で空白部分を埋める
②似たような語句で選択肢が構成されている場合、まず20肢から候補の4つを抜き出す。そしてこれを空白の横に書き出し、どれが一番適しているか一つずつ当てはめて読んでみる。
③白書・統計は新聞を読む感覚で読んでいた。実際問題繰り返し読むのは無理だが、目を通すに越したことはないと思う。(28年度は労一の択一式の過去問である統計問題が選択式で出題された。基本的に労一、社一の過去問は法令科目だけでよかったはずだったが、これにより法令科目以外の過去問も無視できなくなったのだろうか。)
ちなみに選択式問題集も取り組んでいたがあまり役に立たなかったというのが率直な感想である。テキストの読み込みで事足りてしまうから。
6.直前期の過ごし方で合否は大きく左右する
まあ当たり前である。今更感が否めないが、それでも重要なので書いてみた。
ここでも私はいくつかポイントを置いて直前期を過ごした。
①7月初旬からは毎日全教科に触れていた。ここで苦手科目に集中して得点源の科目に触れない日が出てくると、得意科目のはずが忘却によって得点が伸びなくなると感じたから。ということは、この時期までに苦手科目をなくしておくのが理想である。
②この時期は模試を中心にやっていたが過去問もやっていた。中でも徴収法、安衛、労一社一の法令科目を中心にやっていた。これらの科目は過去問からの繰り返しの出題が多いのである。
③直前に前年度の本試験問題を連合会のHPでダウンロードして解いてみた。模試は予備校によって文章の表現が異なるし、1問1答式の過去問だと、もはや場所やページ数で答えを覚えてしまっている可能性がある。時間も測って通しで行い本番を意識していた。
④お盆など存在しない。海水浴、花火大会も存在しない。存在するのはテキストの読み込みと模擬試験の復習と体調管理のみである。私は勉強時間記録アプリを使っていたが8月の学習時間は220時間であった。余裕があれば息抜きをしてもよかったが、落ちた時の後悔を考えると怖かったので私はひたすら勉強机に座っていた。
7.試験中のテクニック
私は模擬試験で色々試し、下記の小技を使っていた。自分なりの小技持っている人は多数いると思う。
①択一式は健康保険から解いていた。社会保険科目が得意だったからである。得意科目で精神的余裕と時間的余裕を作って労働科目に突入する作戦である。
②マークは後でまとめて行っていた。いちいち塗るより後でまとめて塗ったほうが効率的だからである。なのでラスト20分になると問題を解くことや見直しを切り上げて塗り絵タイムに移行していた。
③択一式の総時間3時間半は常に意識していた。開始の合図とともに総ページ数を確認し解くスピードを考えたが基本は1科目25分程度を目安にしていた(国年除く)。また1問は5肢あるが、A~Eと見ていく中で、明らかな答えがAやBで見つかった場合は、C〜Eは読まずに次の問題へ移っていた。模試でもこの手は使っていたが、これで間違いだったことはない。
④全くわからない肢は論点にならない。これも有名な話だが、5肢あると知らない論点の一つや二つはザラにある。それをマークして正解だったことはあまり聞いたことがない。
8.なぜ?いつまでに?この勉強生活もう一年続ける?
一番大きいのはこれである。いわゆる気持ちの問題、モチベーションの維持である。私は精神論タイプでは無いが、これ無しでは辛く長い資格勉強を乗り越えることはできない。
今後思い出したら追記したいが、こんなところである。
一発合格であれば説得力も増すのだが、そこはご容赦ください。
H28年の社労士試験を終えて
↓押していただくと励みになります。
現在は平成28年9月25日。
約1ヶ月前、私は試験会場である某大学で社労士試験を受けた。
その日の晩に行った自己採点によると、マークシートミスがなければ、選択式32点択一式51点(基準点割れなし)でどうやら受かっているようだ。
2年間の受験生活に別れを告げ、ここ最近は来年9月の開業を目標に、開業本、開業者のブログ、開業塾の案内等で社労士開業について調査をしている最中である。
これからこのブログでは、私が試験勉強中に取り組んだこと、役に立ったこと、開業までの準備と、開業後の奮闘(営業活動等)を中心に記し、現在受験中の方々や今後開業を考えている人にとって有益になるような情報を発信していきたいと考えている。
私が受験中に、合格者や開業者のブログで勉強法を参考にさせていただいたり、成績が振るわなかった時にブログを見て勇気付けられたように、このブログもどこかの誰かの役に立てば光栄である。